【子育てグッズ研究会】表紙
  




アレルギーっ子でも食べられるベビーフードはありませんか?

3.メーカーに問い合わせ

アンケートでは、半数以上のお母さんが子どもに「アレルギ−がある」「アレルギーが心配」と答えていました。
メーカーでは、こうした声にどのように応えているのでしょうか。ベビーフード協議会の構成メンバーでもあるK社、W社、G社、Y社、M2社、M1社、そしてP社の7社に、問い合わせをしました。
別文書できちんと回答を寄せてくれたのはG社[別紙5]で、対応の丁寧さに誠意が感じられて好感が持てました。
M1社は返答がなく、他のメーカーも一応アンケート用紙に記入はあったものの内容が不十分であったため、電話での聞き取り調査となりました。その回答をまとめたものが[別紙6]です。


お客様相談室、または広報室に問い合わせたのですが、全般的に担当者に辿り着くまで時間がかかり、応対も必要以上の答えは出さないといった雰囲気で、詳しく尋ねにくい感じでした。M1社はアレルギー児用の粉ミルクのラインナップが揃っているので、その技術力をベビーフードにも生かしているのかと思ったのですが、「アンケートには答えられません」と実にそっけない回答。

K社は厚生省認可特殊栄養食品を主としたジャネフのブランドを持ち、アレルゲン除去のベビーフードではパイオニア。製造工場も自社で管理しているということで期待したのですが、辿り着いた担当者には特にアレルギーのことについて詳しいといった印象は受けず、「アレルギー対応のベビーフードは作っても売れにくいんですよね」と言っていました。
P社が今後の方針として生産量の増大と種類の多様化に積極的な姿勢を示しているのとは対照的で、「作っても売れない」ということは「売れるものを作っていない」ということなのではないかと思いました。


開発段階では各メーカーで小児科医、栄養士、料理研究家などの参画が見られるようですが、食物アレルギー専門の小児科医や消費者が参画しているのはG社のみです。アレルギー対応ベビーフードの企画販売には総じて力を入れていないという結果となりました。


パンフレットや試供品はほとんどどこも送ってくれず、これでは調査にならないので、薬局やスーパーを回ってパンフレットを集めることにしました。しかし、シリーズ別のチラシはあっても、アイテムが全部載っている総合カタログはどこのメーカーのものもありません。

何件目かの薬局で薬剤師さんが「近頃はどんどん新製品が出て追いつかないから、お客向けのそういうパンフレットは出てないみたいだよ。お店の仕入れ用に一覧リストはあるけど」と言います。
そこではそのリストは見せてもらえなかったのですが、デパートならどうかということでベビー用品売場の担当者に食い下がり、2〜3社のカタログを手に入れることができました。
そのカタログでは、M1社はベビーフードの問い合わせ先として「赤ちゃん相談室」という別の電話番号が記載されています。

試しにと、そこに電話して資料を請求したらなんと折り返し試供品に組成一覧表のコピーまで付けて送ってくれたのです。
広報室でのはじめの応対ぶりとあまりの違いにびっくり。こちらがアプローチの仕方をあやまったのか、それとも消費生活アドバイザーなんて言ったものだからいらぬ警戒をされてしまったのでしょうか。

実際は離乳食エイジの子を持つ、商品選択に熱心なお客様の鑑なんだけど・・・ などと思いつつ、ともかくこうしてパンフレットはなんとか揃いました。



4.店頭調査/試買調査

ベビーフード年齢の子どものいるメンバーを中心に商品を購入、実際に食べてもらって感想を求めると共に、パッケージを集めて表示の面でも検討することにしました。
また購入しなかった商品やカタログに成分表示の載っていないメーカーのものなどは店員さんから背中に冷たい視線を受けながら、薬局の棚にへばりついてメモを取ったりもしました。

それらをもとに、別紙の内容で現在(平成9年7月)販売されている各社のベビーフードについて
 (1)アレルゲン除去の表示があるもの
 (2)アレルゲンがメニュー名から推測できないもの
 (3)アレルゲン除去の表示はないが使用されていないもの(ジュース類は除く)
の3点に分類し、リストアップしてみました。[別紙7]


よく5大アレルゲンとして米が含まれますが、米は陽性反応が出たとしてもそれで除去を医師から指示されている子どもは少ないのではないでしょうか。米が陽性を示すような子は他の多くの食品も陽性であることが多く、娘の主治医も「たとえアワやヒエを主食にしたって、いずれそれにもアレルギーを起こすようになるから同じ」と言っています。

それに、主食である米をもアレルゲンに含めてしまうとリストの数が膨大になります。そこであえて米は除き、先のアンケートの回答でも多かった卵・牛乳・大豆・小麦の四品目を対象とすることにしました。

まず、[条件1]ですが、アレルゲンとなりやすい原材料の使用の有無は、外箱の片隅に表示してあるメーカーが多いようです。薬局では内袋でサンプルを配られることが多いので、内袋にもある程度の記載は必要だと思われます。

G社の瓶類及びおやつ類の一部、K社の『よいこになあれ』、W社の『アットンピーランド』は穀物ならアワやヒエ、油脂ならヤシ油やミルクアレルギー用マーガリン、甘味は三温糖などを使用。アレルゲン表示のある食品に関してはそれに属する成分をも含まないなどアレルギーの子をはっきりと意識した商品であることがわかります。
表示も大きく、一目でわかるようになっています。それなのにW社がアンケートの回答に「食物アレルギーの子ども向けの商品は企画・販売とも当分なし」とあったのは、食物アレルギーの子に対象を限定した商品、という解釈をされたのでしょうか。

その他のシリーズは牛乳の除去表示があっても乳清カルシウムが含まれているなど、表示が目安になっているとは思えません。特にP社は小麦を除いた三大アレルゲンについて「〜は使用しておりません」という表示と「〜を使用しています」という表示が混在しています。
しかも鶏卵不使用の表示と共に卵白不使用の表示もあり、後者には卵黄が使用されていたりと大変紛らわしくなっています。
表示自体も小さいので、もう少し目立つようにしないとわからないと思いました。不完全な除去ならば結局買うときに裏の成分表を細かく確認するしかなく、表示をするなら責任を持って材料を選んでほしいと思います。

G社が原材料として使用しているヨモギやY社のアマランサスなどは、いかにも「アレルギーの子の特別メニューです」と言っているようで、本当にメニューに組み入れる必要があるのかどうか疑問です。

Y社で使われているホエーパウダーはあまり馴染みがないため、牛乳由来のたんぱく質だとわからない人もいるのではないかと思いました。

M1社、M2社があえてアレルゲン除去表示に踏み切らないのは、企業の性格上、牛乳を除去品目に加えるのは困ることもあるのでしょう。特にM2社の『プチベビーナ』は卵や青魚などDHAが多く含まれている素材の多用をうたい文句に、使用されている原材料の種類が多岐にわたっています。
全くアレルギーの心配のない子を対象に、栄養強化の方面に力を入れているのがはっきりとわかります。アレルギーの子も安心して食べられるベビーフードをミルクメーカーに求めるのは難しいのかもしれません。


[条件2]では、メニュー名を見て「大丈夫」と思っても念のためにと成分表示を確かめると、これさえ入っていなかったら食べられるのに・・・ とがっかりすることがよくあったため調べてみました。
これはメーカーによる傾向があるようです。G社は穀粉が多用されています。なんとヨーグルトにまで4種類もの穀粉が添加されており、小麦粉などにアレルギーがある場合、使えるのものが極端に少なくなってしまいます。
穀粉などはおじやなら米粉など材料由来の粉のみを使用するとか、馬鈴薯やさつまいものでんぷんなどで代用できるのではないのでしょうか。

P社では素材ものの多くに乳糖が含まれており、ミルクアレルギーの子どもは利用できません。同じ素材ものでM2社の有機野菜シリーズなどには添加がないことから、特に必要はないものと思われます。

M1社は和風メニューにチキンエキスが多用、乳清たんぱく質の添加が見られます。しかもご飯もののほとんどに小麦粉が使用されています。和風のメニューに、まさか牛乳に由来するたんぱく質が用いられているとは思わずに購入してしまう人も多いと思います。そして和風のだしなら鰹や昆布、椎茸のだしで十分なのではないでしょうか。

一方、M2社のDHA素材シリーズには風味づけのために北陸地方などでよく使われる魚醤油が使用されており、こうした工夫はよいと思います。その他にも「しらすがゆ」にバター、「おもゆ」に粉乳や大豆レシチンが含まれているものもあり、驚きました。初期のものにこのような材料が無造作に使用されている事実をメーカーはきちんと表示する必要があるのではないでしょうか。

また、小さい子どもはただの白いご飯は食べにくいもので、ふりかけのお世話になることが多いのですが、ベビーフードのふりかけ類には必ずといっていいほど卵、脱脂粉乳、小麦粉、卵殻や牛骨から由来するカルシウムなどの添加がみられ、アレルギーの子が使えるものは全くありませんでした。
ちなみにわが家では離乳期の娘が安心して食べられるふりかけを探した結果、市販の「おとなのふりかけ」になってしまったのは皮肉なものです。


[条件3]は一手間加えて使う素材もの、及び離乳初期のものが多く、低月齢の表示が大きくしてあると後期、完了期の子はなんとなく買いにくいですし、当然形状も物足りないものがあります。

後期から完了期にかけては全般に「ごった煮」風のものが多くなり、選択が厳しくなっていくのがわかります。特にグルメをうたったレトルトものにそれが顕著にあらわれています。
アレルギーのある子は摂取が難しい油脂類もほとんどの製品に含まれています。含有量に規格があるためか塩分や糖分は比較的少ないのですが、油脂類は規格がないだけにあまり考慮されていないという感じを受けます。
平成6年の東京都の『幼児健康栄養調査』によると総摂取エネルギーによる脂肪の割合が3歳女児で34.4%と、適正とされる25〜30%を大きく上回っています。

昭和30〜40年代ならいざしらず、平成の飽食の時代においては肉も卵も油脂類も、ふんだんに毎日の食卓にのぼります。たんぱく質や熱量の不足がそれほど重要視される時代ではなくなってきているのに、一つのベビーフードにさまざまな材料をなにもかも取り入れ、油脂でコクを付ける必要はあるのでしょうか。
グルメ化に向かうなら、だしやソースで多品目を混ぜ合わすのではなく、素材そのものの持ち味を生かしたメニューがあってもいいと思います。

厚生省が設置した食物アレルギー検討委員会が本格的な実態調査に先駆けて平成8年、保育園児を対象に予備調査を実施したところによると、原因食品は卵と牛乳が著しく多く、その他チョコレート、ピーナッツ、大豆、チーズ、小麦、そば、カニ、エビと続いていたそうです。うちの子もチーズを除き上記のものは全て除去していますので、納得しました。

「○大アレルゲン」を除去するより、本当にリスキーな食材及びそれに属する食材に注意を払ってもらいたいと思いました。 また、表ではジュース類は除きましたが、即時型アレルギーのアレルゲンとして意外に多いのが果物。かんきつ類をはじめイチゴ、桃などもアレルゲンとなりやすい果物です。

ベビーフードの果汁を飲んでは吐いたり下痢をしていた娘。果汁は離乳準備として生後1カ月からの表示があるものが多く、「混合果汁」などではアレルゲンの特定すら困難です。 赤ちゃんが一番最初に口にするベビーフードだけに、もっと果汁の選択や表示に慎重さを求めたいものです。

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