| 【子育てグッズ研究会】表紙 |
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2.アンケート調査
アレルギーのある子を持つ母親は、ベビーフードに対する意識が一般の親とどれほど違うのか。 利用率にどれくらいの差があるものか。アレルギーの子用のベビーフードに対して特に望むことは何か。また、アレルギーのない子の母親でも、アレルギーに対する不安や現在市販されているベビーフードに対して不満を持つ母親も多いのではないか。などを趣旨として、アンケート用紙を作成しました。 対象は6カ月〜2歳6カ月の子供を持つ母親で、配布先としては、 ・ 友人、知人が中心。 ・ 保育園に依頼(有職の母親の意見を知るため) ・ アレルギー児を持つお母さんのグループに依頼(名古屋『ぴことーく』、新潟『あとぴっ子クラブ』) ・ アレルギーショップを通じ、宅配でアレルギー向け食品を注文している方に依頼。 対象がベビーフード年齢ということでかなり限定されていましたが、205人の方から回答をいただくことができました。 ■グラフ1 回答者の年齢分布では、晩婚化を反映してか、はたまたアンケートを作った私の年齢が高かったためか、約7割が30歳以上でした。各年代におけるベビーフードの使用率については、特にこれという傾向はありませんでした。また、職業の有無についてのベビーフードの使用率にも顕著な差は見られませんでした。 <内訳>では「アレルギーがある」48件、残りの157件はアレルギーとは診断されていないはずなのですが、そのうち4割に当たる64件の方がアレルギーかもしれない、と不安を持っています。乳幼児を持つ親にとって、アレルギーは大きな関心事といえるでしょう。アレルギー疾患は一般的に2〜3歳までは食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎が多く、それを過ぎるとダニやハウスダスト、花粉などをアレルゲンとする喘息や鼻炎に移行すると言われています。調査対象である離乳期の子どもはやはりアレルゲンとして食物を挙げている割合が多く、ベビーフードにおいてもアレルギーの子どもに対する配慮が望まれるところです。 ■グラフ2 ベビーフードの利用頻度ですが、ほとんど毎日・週に2〜3回利用を合わせてベビーフードをよく利用する親は、『アレルギーがある』が3割、『アレルギーが心配』『アレルギーがない』は5割とはっきり差が出ています。また、ベビーフードをまったく利用しない割合も、『アレルギーがある』は『アレルギーがない』の4倍にのぼっています。やはり、アレルギーがある場合は、市販のベビーフードが利用しにくいことがうかがえます。 ■グラフ3 ベビーフードを選ぶときのチェックポイントでは、『アレルギーがある』ではまず第一に原材料を挙げているのに対し、『アレルギーが心配』『アレルギーがない』グループでは月齢表示がトップにきています。『アレルギーがない』が比較的重視している味や価格も『アレルギーがある』場合には二の次で、まずアレルゲンとなる食材が使用されていないかに重点が置かれていることがわかります。 ■グラフ4 どんなときにベビーフードを利用するかの問いでは、『アレルギーが心配』『アレルギーがない』が外出時やちょっと手を抜きたいときというオーソドックスな使い方が多いのに比して、『アレルギーがある』場合はベビーフードに味や素材の変化を求めていることが特徴的です。アレルゲンを除去したメニューはバリエーションが付けにくいものです。アレルギーになりにくい素材で普段は手に入りにくい材料を使ったものや、ちょっと調理に手間のかかるメニューなどを求めているようです。 ■グラフ5 アンケート調査に先立ち、スーパーや薬局でアレルギーのある子用のベビーフードを調査したところ、「アレルギー用」と明示されているものはありませんでしたが、「卵、大豆は使われておりません」などとアレルゲン除去を表示してあるものが数社から出ていました。そこで、アレルゲン除去の表示のあるベビーフードの利用状況を質問しました。ここでは『アレルギーがある』が6割近くの使用率を示しているのに対し、『アレルギーがない』は1割と、はっきりと差が出ています。アレルゲン除去の表示は、『アレルギーがある』グループがベビーフードを選ぶ際の目安となっているようです。 ■グラフ6 アレルゲン除去ベビーフードを利用した理由として、食物アレルギーはもちろん、他のアレルギー疾患のある子も利用しているようです。さらに、4割近くが「なんとなく安心」と答えており、アレルギーのない人にもある程度の販促効果を生んでいるようです。 ■グラフ7 アレルゲン除去ベビーフードの利用がない理由では「知らなかった」「近くに売っていない」が多くを占め、あまり種類がないためか、ポピュラーな商品として認知されていないことがうかがえます。また、『アレルギーがない』グループでは必要がないため表示を気にとめずに使っているという意見も目立ちました。 アンケートで一般的なベビーフードに対する意見や要望、疑問点、またアレルギーとベビーフードに関して感じることなどをフリートークで書いてもらったものが[別紙3]です。 ここでは、項目に分けて意見の多かった順に並べてみました。一般的には味付け及び量の不満、安全性や表示に対する不安、種類に関しての要望、そしておしなべて固さが柔らかいことなどが挙げられていました。 アレルギーとベビーフードに関しては、まずアレルゲンがどれだけ除去されているか材料に関する不安、種類の少なさや購入の不便さ、価格の高いことなどが多く挙げられています。 また、アレルギーのお子さんをお持ちの方は小さい文字でスペースいっぱいに書き連ねた方も多く、それでも足りずに裏面まで使って綿々とベビーフードに対する不安や要望を訴えた方もいて、やっぱりみんなこんなに困っているんだと痛切に感じました。 <一般的なベビーフードについて>の(2)安全性についてですが、やはり原材料の調達先や製造過程が見えない、ということで漠然とした不安を感じている人が多いような気がします。 平成8年にまとめられた厚生省の『ベビーフード指針』では、「食品添加物は、必要不可欠な場合に限り使用とする」「医学・栄養学的見地から見て、乳幼児が摂取するのに適した食品であること」など当たり障りのない表現が並びます。 栄養や表示が中心のガイドラインで、安全性に関する記述がなく、残留農薬などに関する規定が全くありません。 アレルギーの子は残留農薬、添加物、食品中に含まれる抗生物質など微量の薬品などがアレルゲンとなるケースも多いのです。法的に特別厳しい規制はないと知って、がっかりしました。 東京都が同年初めて調査したベビーフードの残留農薬検査では、国産の1品目について、原料であるかぼちゃからヘプタクロルエポキサイドが検出されています。今回の検出値は、一日摂取許容量などから見て問題になる量ではないということですが、体重の割合に食品の摂取量が多く、影響を受けやすい乳幼児の場合、許容値を超えないから安全だという保証はどこにもないのです。 しかし、平成4年に改訂された日本ベビーフード協議会の「ベビーフード自主規格」では、有害物質や残留農薬についても「重金属の基準」として上限値が定めてあり、一般の加工食品よりは厳しい基準となっています。 衛生面での基準としては製品中の微生物に対する規定があり、放射線処理をした原料は使用しないということも明示されています。容器やフタについてもこと細かに基準が定められていました。現在、食品衛生法の改正に伴い、該当箇所を改訂中とのことです。 日本ベビーフード協議会は業界の大手7社で組織されているもので、現在市販されているベビーフードはほぼこの規格にのっとった製品であると思われます。 スーパーで買った虫食いのあともないキャベツや発芽処理をされたジャガイモ、抗生物質の心配のある肉や養殖魚を、消毒も行き届かないまな板や包丁で調理される親の取り分けの離乳食などに比べれば、はるかに安全な食べ物であると言えそうです。 大阪のメンバーの話によると、病原性大腸菌O157禍が取りざたされて以来、衛生面の心配からそれまでの手作りの離乳食にかえて市販のベビーフード中心にした、という友達がずいぶんいるそうです。アレルギーのある子だって衛生的なベビーフードの恩恵にあずかりたいものです。 遺伝子組み換え食品に関して、厚生省は一貫して「実質的同等性」を主張して表示はいらない、という立場をとっています。しかし、遺伝子組み換え食品に対する不安はアレルギーの子にとって切実なものがあります。すでに、ブラジルナッツの遺伝子を導入した大豆で、ナッツにアレルギーを持つ人にアレルギーを起こすことが実験でわかっています。 また、遺伝子組み換えによって害虫に強くなったトウモロコシが含む殺虫性たんぱく質が普通の人には安全なのかもしれませんが、うちの子のようにたんぱく質に敏感に反応する食物アレルギーを持つ乳幼児にとっては、危険な食べ物となるかもしれないのです。 万が一アレルギー反応が起きた場合、アレルゲンはトウモロコシなのか何なのか原因が突き止められず、トウモロコシやコーン油は全部除去しなくてはならないことにもなりかねません。そんなことをしていたら、本当に食べるものがなくなってしまいます。 <アレルギーとベビーフードについて>の(1)材料についてですが、4〜5年前までは小児科のお医者さんを中心に、疑わしい食品とそれに属する食品、ヒスタミンやコリン(*1)など仮性アレルゲンとなりうる成分を含む食品を厳格に除去して症状を抑え、消化機能の発達を待って徐々に解禁していく、という方針のところも多かったようです。 それが育児雑誌などを通じて喧伝されたため、そう思いこんでいるアレルギーの子を持つお母さんが多いような気がします。 しかし近年、それによる子どもの成長障害が報告されて以来、このように徹底した食物除去による療法は少数派になっています。また、理論的には正しいことであってもアワ、ヒエ、ウサギやカンガルー肉、サゴヤシ粉(*2)といった特殊な食品を代替として摂取したり、同じ食品を続けて摂取しないように毎回毎回材料を違えて料理する、といったことは経済的な負担も大きく、母親にストレスがかかりすぎて現実的ではありません。 現在、食物の除去を指示される場合は、それを食べることによってすぐにじんましんが出たり喘息の発作を起こしたりといった反応が起き、因果関係がはっきりしている場合が一つ。もう一つは検査で陽性となっている品目が卵・牛乳など1、2点だけで、それを除去しても栄養的に特に問題はないとされる場合です。 検査の結果がすべて陰性であったり、反対に娘のようにほとんどの食品が陽性になっている場合、負荷試験をせずに血液検査の結果のみで除去を指導されるケースは少ないと思います。 娘の検査結果では米やじゃがいも、牛肉などにも陽性反応は出ていますが、普通に摂取しています。仮性アレルゲンになっている場合以外はさほど除去の必要はない、というのが現実のようです。材料についての不安が解消されれば、アレルギーの子だからといってベビーフードに手が出せないものではないと思います。 (*1) ヒスタミン・コリン アレルギー反応を起こすときに出てくる化学物質。青魚やアクの強い野菜などに含まれる。その他、セトロニン、ノイリンなど数種あり、それらを総称して『仮性アレルゲン』と呼ぶ。 (*2)サゴヤシ粉 サゴヤシからとったでんぷん。『さくさく粉』ともいう。アレルギーショップなどにおいてあり、小麦粉の代替品として料理やお菓子に用いられる。 [前のページ] [次のページ] |